士君子projectについて

「目に見えないストレス(不安感・フラッシュバック・自分だけが今までの生活を取り戻せていない・嫉妬・動悸・強迫観念)。今まで通りの日常なのに、今までとは違う自分を感じて、それでも周りも同じなんだと誰にも言えずにたまに無気力が襲ってくる。そんな思いを在校生も先生達もしているんだ。」

2016.07.22ささやかな支援物資を持参して母校を訪問した私は、そう気付かされました。

自分たちには何が出来るんだろう。

母校で学んだ貴重な時間を活かし、社会に出た我々は今まで何をしてきただろう。

私は学年でずば抜けた落ちこぼれでした。それでも、同級生の描く未来に共感したり、先輩の姿に憧れたり、後輩の頑張りに触発されたり、OBOGの活躍を聞いて誇りを感じたり。自分を自分以上に高めてくれる母校の絆や環境に感謝しています。

だからこそ、在校生・そしてこれから入学してくる人たちに、今の日常こそがキラキラした未来への第一歩なんだと実感してもらえるように、たくさんの機会を提供できたら。

そこで、「活躍するOBOGを直接在校生に紹介したい」と思い至りました。

何故その道を目指したのか。何故その道へ至れたのか。その時何が力となったのか。

それに触れる事で、その後自分自身がそうなってもらえるように。

私は、人は一番苦しい時に「誰かの為になれた」という感情こそが、自分の置かれた苦しい状況を打破する大きな力になると信じています。東北では、仮設に住んで塞ぎ込みがちな方々が、今まで支えてくれたボランティアの人の為に小さなお祭りを催してから、引き籠る人が減り、他者とコミュニケーションを取るようになった実例があります。

願わくは、この士君子projectを通して人生の指針を見つけた誰かが、次は後輩たちに何かを与えられる「士君子」とならんことを。